薬を選ぶ時点でなんとなくって選んでいる人いませんか?
なんとなーくじゃなくて、自分の使うくすりにこだわりを持ってみませんか? Ph. 由紀が提案する薬を選ぶ時点でのチェックポイント。
ステロイドときくと、強い薬、なんだか恐い薬、副作用が強いんでしょなんて声が聞こえてきそうです。いかなる薬剤を使用しても副作用はつきものなんです。
使い方と選び方さえ間違えなければ、これに優る薬はなしってところですよ。
ステロイドの作用って?
ステロイド剤の種類って?
剤形は?
部位によって使い分けるって?
年齢によって使い分けるって?
塗る時の注意って?
軟膏とクリームどっちがいいの?
合う、合わないってある?
ステロイド外用剤の副作用って?
全身的な副作用って出るの?
ステロイド剤の経皮吸収って?
経皮吸収に影響する因子って?
本来人間の体で作られる「副腎皮質ホルモン」という物質を化学的合成した薬である。
外用剤の場合は皮膚の表皮から浸透して、炎症部位に働きます。
内服薬、注射薬もいろんな疾患の治療薬として大活躍しています。
外用剤の作用は、抗炎症作用を期待します。
具体的には、血管壁透過亢進の抑制、白血球、マクロファージ遊走抑制、ライソゾーム膜安定化、抗キニン作用などです。
通常臨床効果の強さによって5段階に分類されます。
軟膏、クリーム、ローション、テープなどかなりたくさんの種類があります。
症状、部位、年令によって使い分けられます。
身体の部位によって皮膚がステロイドを吸収する速度が違います。
吸収率の高い部位にできた炎症には弱めのステロイド外用剤を、吸収率の低い炎症には強めのステロイド剤を使用することをお勧めします。
つまり、手や足の裏等皮膚の厚い部分には強めのステロイド剤を、体幹、四肢、頭皮など広域にわたって塗布するようならある程度弱めのものを選択する。まぶた、顔面、陰部など皮膚が薄いところには、弱いものを選択すべきです。
頬はステロイドが吸収されやすく、腕の吸収率の13倍です!
ですから、腕の湿疹に使用していたステロイド剤を顔に使用すると、副作用が出現しやすくなります。
乳児では、皮膚表面の防衛機能が未熟なためにステロイド剤の吸収率が高く、注意が必要です。
まず、皮膚の汚れは落としましょう。
汚れたところにステロイド外用剤を塗り込むと、ステロイドの効力発揮が妨げられてしまいます。
アトピー性皮膚炎の場合だと、皮膚の汚れが悪化因子になったりします。
塗布回数は、一日1回でも十分です。
指の腹を利用してよく擦り込むのが一番よいです。
副作用が恐いからといってちょっとよくなったからといって、勝手に塗るのをやめてしまうと、またかゆみをおびてきたりかえって治療が長引く恐れがあります。
単純塗擦法、貼布法、重層法、密封包帯法などがあります。
単純塗擦法=指の腹を利用してよく擦り込む
貼布法=ガーゼに薄くのばして覆う方法、ぐちゅぐちゅした湿潤性の患部やびらん性の患部に適しています。
重層法=ステロイド剤を塗って、その上に亜鉛華軟膏を重ねます。外からの刺激を防ぎ、密封効果もえられます。
密封包帯法=ステロイド外用剤を塗り、プラスチックフィルムで覆います。この方法にすると、吸収率が10倍増強するといわれています。しかし、この方法だと局所的な副作用が出現しやすく、注意して行なう必要があるのです。
乾燥傾向の強い時は、軟膏の方がよい。
ぐちゅぐちゅした湿潤性の患部には、クリームの方がよい。
頭部やわきの下には、軟膏だとべたついてしまうので、クリームやローションが適している。
高温、多湿の夏期などには、ベトベトする軟膏よりクリームの方が好まれる傾向にあります。
軟膏は、手や足の甲など皮膚の厚いところに、顔面、また、細かなところには、クリームが使いやすい。広い部位に塗布する時には、クリームやゲルの方が塗りやすいです。慢性で乾燥した病変にはテープを使用すると保湿効果や血行促進が期待できる。
化粧品と同様にその人の肌に合う合わないがあります。
効果をえようとして、塗布回数が増えてしまう場合には合っていないかもしれません。
また、ステロイド剤による接触過敏症もあります。塗っても効かない、かえってひどくなるという場合は、かぶれの起きない製剤を選択する必要があります。
長期連用により副作用は出現するとされています。
1. 皮膚が委縮して薄くなる
2. 皮膚の赤みがます
3. 皮膚の感染症(たむし、おできなど)にかかりやすくなる
4. 紫斑(皮膚の内出血)ができやすくなる
強力なステロイド剤の登場により、経皮吸収後の全身的な副作用が認められないわけでもありません。
大量長期投与が問題です。正常皮膚ではバリアーが存在するため、経表皮性の吸収はほとんどないとされています。しかし、ステロイドの対象となるような部位ではバリアーの損傷があり、経表皮性の吸収が増加すると思われます。
全身的な副作用の出現する恐れの目安は、一番強いstrongestに属する外用剤を一日10g以上使用すると、副腎機能に抑制がかかり、その他のステロイドの場合には、一日20以上使用すると副腎機能に抑制がかかるために全身的な副作用が生じるのではないかといわれています。
経皮吸収とは、皮の表面の物質が経表皮的、経付属器(毛包、脂腺、汗管、汗腺)経路により真皮に達し、さらに血中に移行することをいいます。吸収には以下の2点が障害となります。
1.バリアー作用
皮膚構造の角層という部分の細胞同士の間に存在する脂質が物質の皮膚透過性の調節に重要な役割をはたしているとされています。
2.皮膚貯留現象
経皮吸収される際に、一部が皮膚に沈着することが知られています。
ある実験報告では、ステロイド剤が2週間にわたり皮膚の角層に貯留していることが確認されました。
1. 吸収される物質
分子の大小、化学的性状、濃度が重要視されます。
濃度を10倍にしたからといって吸収量が10倍にあるのではないことがわかっています。
皮膚の透過性は、吉草酸ベタメタゾンが最大です。
2. 基剤
物質が基剤に親和性が高いかどうかで皮膚へ移行しやすいかどうかが決まります。基剤と親和性が高いと薬が基剤からなかなかはなれないで皮膚へ移行しにくくなります。従って、軟膏基剤かクリーム基剤かで臨床効果の優劣が生じてしまいます。
3. 皮膚の
1)動物種
ラット>サル>ヒト(極めて吸収されにくい)
2)体部差
前述 陰嚢が最も吸収されやすく、足の底は吸収量が僅かです。
3)皮膚の損傷、病変皮膚かどうか
皮膚に損傷があると、正常皮膚より吸収されやすい
4)外部環境
温度、湿度に影響されます。
5)皮膚との接触条件
ステロイド外用剤