厚生省は1999年6月17日ホルモン量の少ない経口避妊薬(低用量ピル)を医薬品として承認。1999年9月2日より発売されています。
国連加盟国で承認されていなかったのは、日本だけでした。1990年7月の申請以来、9年間にわたる異例の長期審査を経て解禁。
ピルイコール副作用の代名詞と取り扱われるような風潮がありますが、ピルはもともと体内で作られる女性ホルモンで作られた経口避妊薬です。
避妊以外にも女性にとってメリットが多いので、正しく理解しましょう。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
妊娠中の女性は排卵がありません。この原理は、卵胞から分泌される女性ホルモン。ピルには、女性の卵胞からつくられる卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲストロン)が含まれています。
これらのホルモンを微量に飲むことによって妊娠を防いだり、生理に伴うさまざまなトラブルを解消することができます。
これまで日本で使用されていたピルというのは、ホルモンの含有量が低用量ピルよりも多く、中・高用量ピルと分類されています。ホルモン量が多いために副作用が問題でした。低用量ピルではホルモン量を避妊効果の得られるところまで減らすことに成功。エチニルエストラジオールの1錠中の含有量が50μg未満のものを低用量ピルと定義されています。ホルモン量を減らすことで副作用がより軽減されています。
ピルを飲んでいても生理のような出血、消退出血は起こります。
21日分服用すると、休薬期間に入り2-5日して軽い生理のような出血があります。
服用方法による分類
DAY1 STARTタイプ→月経開始日から飲みはじめる
SUNDAY STARTタイプ→月経開始後、初めての日曜日から飲みはじめる
包装単位による分類
21錠包装
28錠包装
配合による分類
一相性→常に同じホルモン量の配合のピルを飲む、飲む順番を間違えても大丈夫
多相性(二相性、三相性など)→女性のホルモンバランスにあわせて変化させた配合のピルを飲む、副作用が少ない反面、飲む順番を間違えてはいけません
黄体ホルモン(プロゲストロン)による分類
開発段階により分類されます。黄体ホルモンの作用が徐々に強くなります。
第一世代→ノルエチルステロン
第二世代→レボノルゲストレル
第三世代→デソゲストレル
1930年代の半ば、アメリカのルッセル・マーカーがノースキャロライナで採取した山芋(ヤム)に生理痛を和らげる物質(植物性ステロイド)が含まれていることを発見したことがはじまりです。
ピルを服用している世界女性は、約一億人(世界人口59億人、1998年)。
オランダのピル人口は、女性の60%に達する。イギリスは、72%。
1. 排卵抑制
2. 子宮頚管粘膜の変性による精子通過障害
3. 卵管における受精卵の移動遅延、着床障害
100人の女性に一年間各種避妊法をしてもらい失敗妊娠率をみると、ピルでは0.1-5%です。コンドームでは、3-14%です。
低用量ピルは保険がききません。1ヵ月分の薬代は、2000-3000円程度プラス診察代が加わります。コンドームにくらべて多少高めというところです。検査があると2-3万円になることもあります。
飲みはじめには、気持ち悪くなったり、頭痛、体重増加(1-2kgといわれています)、不正出血がよく出現します。多くの場合、飲み続けることでこれらの症状は消失しますが、どうしても我慢できない時は医師に相談して、ピルの種類を変更してもらうことをお勧めします。
また、血栓症や乳ガン、子宮頚ガンなどの可能性が指摘されています。高血圧の人、一日35本以上の喫煙者や乳ガンの疑いのある人などはあらかじめ、ピルを服用できない(禁忌)ので、医師に相談しましょう。
ピルは薬局で買うことはできません。医師の処方箋が必要です。
問診
あらかじめ内服できない人(禁忌)や慎重投与、投与による危険因子の発見をします。
検査
一般検査
副作用のあらわれやすい基礎疾患はないかチェックします。
婦人科的検査
妊娠、女性ホルモンに依存した子宮筋腫や子宮内膜症などの有無、子宮頚部細胞診を実施することもあります。
性感染症検査
ピルの服用の機会を利用してSTDに対する認識を高めることが重要です。
毎日1錠ずつ飲むことが重要です。なるべく同じ時間に飲むことが重要です。生活パターンや習慣にあわせて飲むと飲み忘れが予防できます。例えば、朝食後、寝る前、歯磨きの後など。
飲み忘れた場合には、一からやり直しです。
1. 正しい服用方法と飲み忘れへの対応
a. 毎日一定時間に服用しましょう
b. 消退出血が2ヵ月以上こない時には受診しましょう
c. 飲み忘れが24時間以内の時は、気付いた時点で服用する
d. 飲み忘れが24時間以上たっている場合には、そのシートの服用はやめて次の月経まで待って新しいシートの服用を始める
e. ピルの避妊効果が確実になるには7日間必要とするので、避妊に注意しましょう
f. 下痢や嘔吐の時には、ピルの効果が減弱する恐れがありますので、下痢や嘔吐が続くようであったりするなら、避妊方法の併用をお勧めします
g. ピルを服用している人の中には、コンタクトレンズを装着している時に違和感を訴えることがあります
h. 他の低用量ピルに切り替えることもできます
2. 併用薬
胃薬、風邪薬、頭痛の薬など、ほとんどの薬は大丈夫ですが、注意の必要な薬もあります。
副腎皮質ホルモン剤(ステロイド剤)の作用が増強することがあります。
抗うつ薬の作用が増強することがあります。
てんかんの薬(抗けいれん薬)、抗アレルギー薬によってピルの効果を減弱させるものがある。
抗生物質の中にはピルの効果を減弱させるものがある。
糖尿病の人は要注意、インスリンや糖尿病の治療薬の作用が増強することがあります。
3. 服用を中止すべき症状
4. 妊娠への注意
5. 飲みはじめの副作用
不性器出血がみられることがあります、吐き気や乳房痛、乳房の緊満感などが比較的多くみられますが、しだいに消失することが多いです。
6. 定期検査
1、3、6ヵ月、1年毎に受診、検査を受けることが望ましいでしょう。
7. 処方の間隔
最高3ヵ月分まで処方できます。
8. 血液検査、臨床検査値への影響
総コルチゾールの増加
甲状腺機能検査
ピルは、避妊目的に開発された薬剤であるので、HIV、エイズなどをはじめとする性感染症(STD)予防のためにはこんドームの適正使用が重要です。
妊娠に気付かずにピルを飲んでいたために生まれた赤ちゃんに先天異常が生じたという報告は、今までにありません。ピルを正しく飲んでいて妊娠するということはほとんどありません。しかし、すり抜け排卵といってピルを飲んでいても2-10%の割合いで排卵する可能性があるからです。ピルの服用中に消退出血があらわれないことがあるかもしれません。もし、出血がみられないようでしたら医師に相談しましょう。
1. 月経痛の軽減
ピルを飲んでいてもみかけ上の生理、消退出血はあります。しかし、出血量は少なく子宮収縮が抑えられるので痛みが軽減します。
2. 月経不順の改善
ピルにより生理の周期がきちんと28日で整います。
3. 月経前症候群の軽減
生理前にイライラする、落ち込むなどの症状を軽減できます。
4. 月経過多の軽減
ピルにより子宮内膜の増殖が抑えられ出血も軽減、貧血も改善されます。
5. 子宮内膜症のリスクの低下
ホルモン状態が安定し、子宮内膜の増殖が抑えられるからです。
6. 不妊症の予防
不妊の原因となる卵管炎、骨盤内腹膜炎が予防できるからとされています。また、ピルにより子宮頚管粘液の状態が変化して細菌やウィルスが子宮内に入りにくいといわれています。
7. 子宮体ガンと卵巣ガンの予防
ピルにより排卵が抑制されているので卵巣に傷ができにくかったり、ピルに含まれる黄体ホルモンが子宮内膜を保護するといわれています。
8. にきびの改善など
ピルに含まれる女性ホルモンがにきびの原因となる男性ホルモンのはたらきを抑えてにきびを改善します。
ピルの影響により母乳の出が悪くなる恐れがあります。母乳で育てるつもりなら授乳期を終えてから服用しはじめましょう。しかし、ピルを飲んでいるからといって母乳が赤ちゃんに悪いということはありません。
ピルを飲むことを止めれば、だいたい3ヵ月ぐらいして通常の生理周期に戻るとされています。
OC情報センター(OC(低用量ピル)や避妊・女性の健康管理等についての情報サイト)